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2009年03月08日(日) 00時00分

ホーコス会長に説明求める声中国新聞

 核兵器開発に転用可能な精密機械を不正に輸出した疑いで社員ら4人が逮捕された福山市の工作機械メーカー「ホーコス」。企業コンプライアンス(法令順守)が問われかねない容疑だけに、同社の説明責任を指摘する声が強まっている。が、経営トップで福山商工会議所の会頭も務める菅田秦介会長(79)は今も沈黙を続けたまま。商議所内からもいら立ちの声が漏れ始めている。

 「商議所としてホーコスが説明責任を果たす必要があると考えている。会頭にはできるだけ早くとお願いしたところです」

 ホーコス社員らが逮捕された4日。午後8時に商議所で緊急会見した林克士副会頭(67)=鞆鉄道会長=はこう話した。他の3人の副会頭もうなずく。「ホーコスがまず説明してくれないと商議所として判断が難しい」という言葉も続いた。

 この日、4人は姿を見せない菅田会頭と夕方まで連絡が取れなかった。会頭の進退を問う報道陣には「われわれが言う立場にない」としたが、林副会頭の言葉は携帯電話にようやく出てきた菅田会頭への苦渋の「進言」だったといえる。

 昨年7月末の家宅捜索以降、菅田会頭は定例会見でも「捜査の支障になる」と一切の説明を拒んできた。

【写真説明】菅田秦介会頭が姿を見せないまま、緊急記者会見する福山商工会議所の4人の副会頭。会頭が経営トップを務める会社への強制捜査だけに、苦渋の表情がにじんだ=3月4日午後8時10分(撮影・増田智彦)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200903080030.html