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2009年03月08日(日) 00時00分

「静かな日常を」訴え切々中国新聞

 「静かな日常を」「米空母艦載機移転は認められない」—。岩国市の米海兵隊岩国基地関連では初の騒音訴訟へ向け477人の原告団が結成された7日、耐えてきた市民らは口々に長年の思いを訴えた。提訴は23日に予定。米軍機などの騒音被害の賠償に加え、艦載機移転差し止めも求める。全国の爆音訴訟団のメンバーも駆け付け、連携を確認した。

 原告団結成総会は、約150人が市民会館小ホールを埋めた。準備に奔走した田村順玄市議が「戦後63年間、岩国で爆音訴訟はなかった。やっと国を相手に環境基準を侵している現状をあらためさせる訴えができる」と力を込めた。

 2007年秋から訴訟に向けて活動を開始。08年春以降は勉強会や住民説明会を重ね、過去の判例でほぼ賠償が認めれているWECPNL(うるささ指数、W値)75以上区域に住む原告予定者、支援者を募った。原告団のうち、基地隣接のW値85以上は全体の約6割を占める。

 この日、原告団長に選ばれた津田利明さんは「騒音軽減のための基地滑走路沖合移設が艦載機移転の受け皿となり、国は堂々と法を無視している」と、国の責任を徹底追及する構えをみせた。

 副団長5人も登壇してあいさつ。基地そばに住む神村登美子さんは「みんな我慢してきたが、(艦載機移転で)今の倍の飛行機が爆音をまき散らすと聞いた。静かな日常を保障してほしい」。

【写真説明】訴訟に向けて「頑張ろう」と気勢を上げる原告団ら

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200903080033.html