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2009年03月07日(土) 06時02分

二階経産相に飛び火!?地検が自民にもメス…西松建設巨額献金事件スポーツ報知

参院予算委で答弁する二階経産相

 西松建設の巨額献金事件で、東京地検特捜部が二階俊博経済産業相(70)ら一部自民党議員側の政治団体について、同社のダミー団体がパーティー券を購入していた経緯などをめぐって、西松側から事情聴取を始めたことが6日、関係者の話で分かった。二階氏は「特別の調査を受けるいわれはない」と反論したが、ダミー団体が購入した二階派の政治団体のパーティー券は、3年間で計838万円。自民議員の中でも突出しており、この日の国会でも追及を受けた。

 民主党の小沢一郎代表(67)の公設秘書の逮捕劇で、反転攻勢に出かかった政府・与党側に“ブーメラン”が戻ってきた。

 西松建設が政治家への献金目的で設立したダミーとされる政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」が、二階氏ら一部の自民党議員の政治団体からパーティー券を購入した経緯に関し、東京地検特捜部が西松側の事情聴取に着手した。

 政治資金収支報告書などによると、ダミー団体は2004〜06年、二階氏が代表の自民党二階派政治団体「新しい波」から計838万円分のパーティー券を購入。小沢氏側の約2100万円に次ぐ金額は、ほかの自民議員に比べて突出している。

 ほかにも西松建設の献金先は、尾身幸次元財務相の資金管理団体に約400万円、森喜朗元首相側に計300万円、麻生派の山口俊一首相補佐官側に計200万円と、麻生内閣の周辺にも及んでいる。

 二階氏は終日、釈明に追われた。特捜部の西松関係者への事情聴取に関し「特別の調査を受けるいわれは全くない」と反論。麻生首相も出席した参院予算委では、野党側の追及に「いちいち、詳細に調べたことはない」「どういう団体であるか、パーティーの段階から一切存じ上げていない」と4日に会見した小沢氏ばりの強気答弁を展開。ダミー団体との認識はなかったと強調した。

 5日にパーティー券代金返却を表明した理由を「道義的にも返した方がいい」と説明。森元首相や山口氏らも同様の対応を取るなど「身辺整理」の動きが急で、自民党内では「検察がバランス感覚を働かせかねない」(幹部)との警戒感が広がり始めた。

 「対岸の火事どころじゃない」(自民党関係者)展開となってきた麻生内閣。参院予算委で政治献金の必要性を問われた麻生太郎首相(68)は「企業・団体献金は悪だと思っていない」と淡々と答弁した。政府高官の「自民党の議員には捜査は及ばない」発言は、民主党の「国策捜査」批判を勢いづかせる結果となり、二階問題とともに新たな頭痛の種になり始めた。

 検察幹部の一人は、自民党議員側への捜査について「立件するかどうかを含めて、われわれは粛々と捜査を進めるだけ」と語った後に、「まあ、見ていてください」と付け加えた。忍び寄る検察の影におびえるのは、小沢氏だけではなくなった。

(2009年3月7日06時02分  スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090307-OHT1T00068.htm