札幌市南区の生活保護受給者が全盲を装い、生活保護費の一部を不正受給していた問題で、札幌南署は25日、札幌市南区石山1の8、無職丸山伸一容疑者(50)を詐欺の疑いで逮捕した。
調べによると、丸山容疑者は2007年11月から今年2月までの間、視力障害1級に対する障害加算額2万6850円(月額)と重度障害加算額1万4380円(同)を含んだ生活保護費を、同区から不正に受給し計16万4920円をだまし取った疑い。丸山容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている。
丸山容疑者は同市内の病院で「視神経炎」と診断され、1999年に「視覚障害1級(全盲)」の障害者認定を受け、03年10月から視力障害加算分を受給していた。
丸山容疑者は06年2月から07年6月にかけて、24回にわたって「歩行中にひき逃げに遭った」などと同署に相談。昨年2月には、ひき逃げされた車の特徴を「赤色だった」と話すなど視力の度合いに疑いが強まり、同年10月に自動車運転免許証を更新した際、視力検査で丸山容疑者は両眼で0・7以上あることが分かった。視覚障害1級の要件は「両眼の視力の和が0・01以下」となっている。
同署では、丸山容疑者が03年10月以降、障害者加算分などのほか、バス無料券などを合わせて数百万円相当をだまし取ったとみて余罪を調べている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20080225-OYT8T00385.htm