両容疑者は「中身が象牙とは知らなかった」と容疑を否認しているという。府警は、暴力団山口組傘下組織の「事務局長」や「舎弟」などの肩書を記した博行容疑者の名刺を複数押収。同容疑者は調べに、自分で名刺を作ったことや、暴力団事務所への日常的な出入りを認めているという。
調べでは、博行容疑者らは昨年8月、ワシントン条約で商業取引が全面禁止されているアフリカゾウの象牙約3トンを、約10トンの人造大理石が入ったコンテナにまぎれこませ、大阪南港から密輸しようとした疑い。
コンテナの奥の木箱に象牙1本を3等分したカットピース608個と、印材約1万8000本が隠されていたが、大阪税関のX線検査で発覚した。
コンテナは、昨年8月6日にマレーシアを出港した船で韓国・釜山まで運ばれ、別の船に積み替えられて、同21日に大阪南港に到着した。
府警のこれまでの調べに対し、両容疑者は「キムという外国籍の男に頼まれた。輸入したのは大理石だと思っていた」などと供述していたが、同税関の家宅捜索で、博行容疑者が複数の知人に象牙の荷受人になってくれるよう依頼したメールを印字した紙が押収されていた。府警は、これらの依頼が断られたため、博行容疑者の会社が荷受人にならざるを得なかったとみている。
府警は、博行容疑者に密輸を持ちかけたとみられる外国籍の男を国際手配する方針。
http://www.asahi.com/national/update/0207/OSK200702070096.html