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2006年05月20日(土) 02時52分

「ヤフーBB」訴訟 個人情報流出に賠償命令 ネット管理不備産経新聞

 インターネット接続サービス「ヤフーBB」の顧客情報流出事件で、個人情報が漏らされて精神的苦痛を受けたとして、大阪や兵庫など二十−七十代の会員と元会員五人が運営会社「BBテクノロジー(旧ソフトバンクBB)」とグループ企業の「ヤフー」の二社を相手取り、一人当たり十万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が十九日、大阪地裁であった。山下郁夫裁判長は「不正アクセスを防止するための措置を講じなかった」などとして、BB社に一人当たり六千円の支払いを命じた。
 原告側代理人によると、インターネットを通じたデータベース管理体制の不備を理由に、企業に賠償を命じた司法判断は初という。ヤフーに対する請求については「ヤフーが管理していた情報の流出はなく、BB社に対する監督義務も認められない」として退けた。
 判決などによると、BB社の元契約社員らは平成十五年六月と十六年一月、社員当時に使用していたパスワードを使って、ネットカフェのパソコンから同社のサーバーにアクセス。会員の住所や氏名など延べ千百万件の顧客情報を不正に取得した。
 山下裁判長は判決理由で、BB社の管理体制について、契約社員が退職した際にパスワードなどを変更しておらず、極めて不十分だったと指摘。「電気通信事業者として、個人情報の漏洩(ろうえい)や不正アクセスを防止する注意義務に違反した」と認定した。さらに、「契約社員による不正アクセスの予見は可能で、適切な管理を行っていれば情報流出は防げた」と述べた。損害額について、プライバシーが侵害されたと認定し、慰謝料として五千円、弁護士費用として千円の計六千円が相当との判断を示した。
 BBテクノロジーの親会社のソフトバンク広報室の話「判決文を慎重に検討し今後の対応を決めたい」
(産経新聞) - 5月20日2時52分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060520-00000001-san-soci