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今年、注目を集めたネットの新顔はなんと言っても「ブログ」だろう。その音声版が10月からヨミウリオンラインでも始まったポッドキャスティング。お目当てを登録しておけば、最新内容が自動的にパソコンに届き、パソコンにつないだMP3プレイヤーへ簡単に転送されるから、通勤時など好きな時に聞けるという便利な代物だ。
文字、音声と来れば次は動画というのがネットの進化パターン。日本では、日産自動車のブログムービーが話題になった程度だが、一歩先を行く米国では、ビデオブログ=Vlogがインド洋大津波以来、急速に増えている。なかでも固定視聴者10万人と大人気なのがロケットブーム(Rocketboom)。
ロケットはニューヨーク市内のアパートの一室から、平日の朝9時に連日発信されている3分番組。スタッフは女性キャスターと男性プロデューサーの2人。機材は市販ビデオカメラとノートパソコン、ライト2本のみ。「なにかクールと感じるものを伝える」という基本方針で、ニュースを独特の切り口で料理するのが受けているようだ。
この人気に目をつけたのがテレビ番組録画サービスのTiVo。ネットを介して録画予約を行う日本にはない独自の多機能システムで、さらなる機能充実の一環として、Vlogのビデオ取り込みを実験的に開始し、その第一弾にロケットを選んだ。ロケットの録画を指定しておけば、自動的に毎日、録画され、好きな時にテレビで視聴できる。番組にはCMをつけ、収入は折半するとされる。
テレビ番組は、電波、有線、IPを問わず、それ相応のお金をかけ、高級機材を駆使してプロが作るものと決まっていた。そこに、タダ同然で作られたネット向けの個人番組が割り込み、かつ収入が得られる道が開かれた。そうと分かれば挑戦者が相次ぐことだろう。類似の試みへのベンチャーキャピタルの投資も活発だ。ブログの進化と機材の低廉化がテレビの生態系を揺すぶっている。(ITジャーナリスト 島田範正)
http://www.yomiuri.co.jp/net/column/kougengaku/20051220nt03.htm