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2005年12月16日(金) 14時22分

敷金差し引き、最高裁が初判断…具体的説明が条件読売新聞

 賃貸住宅の入居者が退去する際、貸主が自然に傷んだ内装などの補修費を敷金から差し引けるかが争われた訴訟の上告審判決が16日、最高裁第2小法廷であった。

 中川了滋裁判長は「入居者が負担する自然の損傷とはどのようなものかを、貸主が契約書に具体的に明記するか口頭で説明し、入居者がその内容を明確に認識して合意した場合に限り、差し引きは許される」との初判断を示した。

 その上で、今回は許されるケースに当たらないとして、入居者の敷金返還請求を棄却した2審・大阪高裁判決を破棄。返還額の審理のため、高裁に差し戻した。

 民法などは、自然に傷んだ部分の補修費は原則として貸主が負担すると定め、入居者との間で合意した場合に限って敷金からの差し引きが認められるが、合意の有無を巡ってトラブルが多発していた。判決は、貸主がどのような説明をし、入居者がどんな意思表示をすれば合意があったと見なせるかを最高裁が初めて示したもので、トラブルの解決に役立ちそうだ。

 この訴訟は、大阪府内にある大阪府住宅供給公社のマンションを退去した30歳代の男性会社員が、敷金約30万円の返還を公社に求めたもの。

 判決などによると、会社員は1998年に入居し、賃料3か月分に相当する敷金約35万円を公社に預けた。賃貸契約の際、公社側からは、補修費を公社と入居者のどちらが負担するかを項目別に記載した一覧表が示され、「生活することによるふすまや床の変色は入居者負担」などとする特約が結ばれた。2001年の退去時に、この特約を根拠に約30万円が敷金から差し引かれた。

 判決は、「特約の内容を明確にする説明がなかった」などとし、敷金からの差し引きは許されないと結論づけた。

 1、2審は「特約によって合意が成立しており、差し引きは正当」と判断し、請求を棄却していた。
(読売新聞) - 12月16日14時22分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051216-00000205-yom-soci