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構造計算書の偽造について姉歯氏は「(建設の現場に一級建築士がいれば)簡単に見抜ける」と述べた。
さらに「単純な内容なので、民間の確認検査機関に出した時点ですぐばれると思っていた」と説明。「明らかに審査が通りやすいというか、見ていないのが実情だ」と、イーホームズ(東京都新宿区)の審査のずさんさを指摘した。
その上で「物件により担当者が変わるが、数時間しか見られないということもあった」と証言。担当者からの質疑についても「単純な内容ばかり。誰が見ても分かるような質問しか出なかった」と述べた。
これに対して、イーホームズ危機管理室の担当者は「証人喚問の中継を見ていないので、コメントできない。後でビデオを見てからお話ししたい」と即答を避けた。
一方、姉歯氏は昨年三月、東京都港区のマンション新築計画について、別の設計事務所側が木村建設の篠塚氏や平成設計幹部、総研の担当者のいる前で姉歯氏の不正を指摘した時のことについて「皆さんのいる前で、私が(入力数値の)低減の話をしたので、周りにいる人間は(計算書の偽造について)認識していると思います」と証言。昨年三月の時点で木村建設や総研が偽造を認識していたとの見方を示した。
■偽造「池上から」
「グランドステージ池上だったと思う」。姉歯氏は偽装を始めた物件についてこう証言した。
東京都大田区のグランドステージ池上は、鉄筋コンクリート九階建てのマンション。同区によると、「ヒューザー」(千代田区)が建築主で、同社の物件を手掛けていた「下河辺建築設計事務所」(大田区)が元請けで設計。施工の下請けには木村建設が入っていた。建築確認は一九九八年七月に大田区が行った。
偽装問題の発覚後、同区は下河辺事務所から構造計算書などを取り寄せて調査。いったんは「問題なし」と判断した。だが、ヒューザーは「構造に問題がある」と公表。区は同社から構造計算書の提出を求め、現在も再調査を進めている。姉歯氏の証言について、住民は「何も分からないので」と戸惑いをみせた。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051214/eve_____sya_____006.shtml