2005年12月14日(水) 21時24分
<着服>食堂車のほぼ全従業員がコーヒー代 JR西子会社(毎日新聞)
「ジェイアール西日本フードサービスネット」(大阪市)は14日、親会社のJR西日本が運行する寝台特急「トワイライトエクスプレス」(大阪—札幌)の食堂車のほぼ全従業員が、サロンカーで乗客が注文したコーヒーの売り上げを着服していたと発表した。JR西日本の看板列車として89年に運行開始以来、退職者を含め約100人が関与し、総額約1400万円を横領していた疑いもあるという。フード社は同日から現職29人の乗務を停止。刑事告訴も検討している。
同エクスプレスは9両編成(定員130人)で、ホテル並みの豪華な内装もあって人気は高い。
フード社によると、今月9日、従業員からの内部告発で表面化。これまでに、仕切り役のチーフパーサーを含む11人から事情を聴き、全員が着服を認めた。食堂車には1編成につき6人の従業員が乗務している。
社員の供述によると、乗客が夜景などを見ながら自由にくつろぐ4号車の「サロンカー」では、隣の食堂車の従業員がコーヒーの注文を受けている。この際、売上伝票を発行せず、受け取った代金をそのまま着服、チーフパーサーが管理、分配していた。伝票を発行しない乗客は4人に1人程度で、1人年間3万6000円程度を着服した計算になるという。
サロンカーでは、高級感を出すため、1杯ずつ陶磁器のカップでサービスしており、通常の車内販売のように、紙コップの在庫と売り上げが照合できないことに目をつけた巧妙な手口だった。
きっかけについて、各従業員は「レジの不足金充当のための資金プールから始まった」などと話している。【本多健】
(毎日新聞) - 12月14日21時24分更新
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