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2005年12月13日(火) 03時02分

松下の温風機事故、原因はホース亀裂以外の可能性も読売新聞

 松下電器産業製の石油温風機による一酸化炭素中毒事故が相次いでいる問題で、同社は、今年1月に福島県で事故が起きた直後、同タイプのFF(強制給排気)式温風機の燃焼実験を行い、「ゴム製ホースの亀裂だけでは死傷事故に至らない」という結果を得ていたことが12日、わかった。

 同社はすぐに事故を公表せず、顧客サービスキャンペーンとしてホースの無償交換で対応していた。

 松下電器によると、1月5日、同社のFF式温風機を使っていた福島県内のペンションで父子が死傷する事故が起き、不完全燃焼が原因と見られることから、社員の自宅などからFF式温風機を31台回収。1月9日から2月15日にかけ、ゴム製ホースに亀裂が見つかった9台について燃焼実験をした。吹き出し口から出る一酸化炭素の濃度を調べた結果、最大で13ppmの濃度を検知。同社は「1600ppmの濃度の室内に2時間いると死亡するデータはあるが、この濃度では死亡には至らない」(広報グループ)と判断したという。

 しかし、同社は原因が特定できないまま、2月10日、顧客キャンペーンとして同型機の無料点検を始め、ゴムホースから銅製ホースに交換。事故は公表しなかった。

 その後、長野県でも2月23日と4月13日に計4人が入院する同様の事故が発生し、同社は、ゴム製ホースの亀裂のほか、屋外に出た給排気筒が変形していたのを確認。給排気筒の変形によって送風機の回転数が低下するという複合的要因も重なり、不完全燃焼が起きたと推定したというが、同社がリコールに乗り出し、ホース交換とともに給排気筒の重点的な点検などを販売業者らに要請したのは、福島の事故から3か月以上たった4月20日だった。

 同社広報グループは「(公表やリコールなどの)緊急を要するという判断はしなかった。当時としては最大限の措置をとったと考える」としている。
(読売新聞) - 12月13日3時2分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051213-00000201-yom-soci