2005年12月12日(月) 09時50分
東証システムの不具合が判明 大量誤発注取り消せず(ITmediaニュース)
みずほ証券による巨額の誤発注問題で、東京証券取引所は12月11日、みずほ証券の注文が取り消しできなかったのは、東証の株式・CB売買システムの不具合が原因だったと発表した。東証は、システムの開発を担当した富士通と協力して早急に詳細を分析するとしている。
東証は「市場の信頼を損ないかねないような株価変動を生ぜしめ、安定した市場機能を提供する責務を負う当取引所として深くお詫び申し上げる」と謝罪した。
同問題は12月8日、同日に新規上場した人材派遣業のジェイコム株式に対し、みずほ証券が「61万円で1株」の注文を「1円で61万株」と誤発注した。同証券が買い戻しを進めたものの、10万株程度に買い手がついたとみられ、同証券の損失は300億円以上にふくらむ可能性がある。
同証券は誤発注に気付いた後で、複数回にわたって注文の取り消しを行った。東証などの当初の説明によると、同証券は取り消し処理を「初値(67万2000円)に対する値幅制限の下限(ストップ安、57万2000円)」を指定して行わなければならなかったが、これを誤発注と同じ「1円」で取り消しをしようとしたため、取り消し注文が実行されなかった、としていた。
ところが11日になって、実は東証システムの不具合が原因だったと発表。東証によると、大量の1円売り注文を、値幅制限の下限である57万2000円の売り注文として「みなし処理」を実施したが、これに対し約定処理中の注文が存在した場合に不具合が生じる、という。
ただ東証によると、不具合が起きるのは「新規上場銘柄で、かつ、特別買気配の表示中に気配の差引数量を超え、初値決定後も売注文が残るほどの大量の注文がみなし処理の対象となるような値段で発注されたような場合」と、通常は考えにくい条件だ。当面は新規上場銘柄に対するチェックを強化するが、今後は「あらゆるケースを想定して十分な精査を行い、不具合が生じることのないよう努める」としている。
東証システムをめぐっては、11月1日には東証史上初めて全銘柄が取引一時停止に追い込まれた大規模障害が起きたばかり。東証の鶴島琢夫社長は相次いだ不具合に対し、進退問題も含めて責任を検討する、としている。
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(ITmediaニュース) - 12月12日9時50分更新
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