2005年12月09日(金) 10時15分
犯罪被害者名 警察判断にニュースキャスターらが緊急提言(毎日新聞)
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犯罪被害者の実名・匿名発表問題について会見する(左から)鳥越俊太郎さん、筑紫哲也さん、田原総一朗さん=東京都内のホテルで8日午後2時21分、近藤卓資写す |
ニュースキャスターの田原総一朗さん、筑紫哲也さん、木村太郎さん、鳥越俊太郎さん、田丸美寿々さん、井田由美さんが東京都内で8日会見し、犯罪被害者を実名・匿名のどちらで発表するかの判断を警察に委ねる項目が政府の犯罪被害者等基本計画に盛り込まれることに反対する緊急提言を発表した。近く政府に申し入れる。
提言は(1)事件の検証、調査が困難になる(2)原因究明に支障が生じ、再発防止に影響を与える(3)警察の捜査ミスや怠慢隠しに使われる−−として、この項目の削除・修正を求めており、「警察は実名で発表し、実名報道か匿名報道かは被害者の名誉やプライバシーに十分配慮してメディアが自律的に判断すべきだ」と訴えている。
埼玉県・桶川ストーカー事件で捜査の怠慢を暴いた鳥越さんは「遺族の家には刑事が常駐して『マスコミと接触するな』と言っていた。捜査の怠慢が明るみに出ることを恐れていた可能性がある。警察の思うがままに匿名発表されれば、本当のことが出てこなくなる」と述べた。田原さんは「今回の問題は、政府がさまざまな名目で報道の自由を抑えようとしている動きの一つと位置付けられる」と指摘した。【森本英彦】
(毎日新聞) - 12月9日10時15分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051209-00000010-maip-soci