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姉歯建築士による構造計算書の偽造物件は、国交省確認分だけで十二都府県五十五棟に上っている。ずさんな建築確認をしていた民間検査機関や自治体を含め、建築物の安全性に絡んだ問題は刑事責任の追及に向け、重大局面を迎えた。
国交省によると、姉歯建築士は地震の力を半分程度にして入力するなどデータを偽造して構造計算書を作成し、震度5強の地震でも損傷しないなどとしている同法二〇条の基準を満たさないマンションやホテルを建築させた疑い。
告発対象はグランドステージ稲城(東京都稲城市)▽グランドステージ東向島(墨田区)▽ステージ大門(港区)のマンション三棟と、ホテルの京王プレッソイン茅場町(中央区)。どれも耐震性が基準値の26−33%しかなく震度5強の地震でも倒壊の恐れがある。国交省は建築主のヒューザー(千代田区)や施工主の木村建設(熊本県八代市)、シノケン(福岡市)など数多くの問題物件に関与した業者を網羅する形で告発に踏み切った。
警視庁などは姉歯建築士をはじめ関係者の事情聴取を進め、年内にも関係先の家宅捜索に着手する方針。文書偽造や詐欺容疑での立件も視野に入れ捜査する。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051206/mng_____sya_____008.shtml