2005年12月02日(金) 03時16分
国公認の構造計算データ、市販ソフトで容易に改ざん(読売新聞)
マンションなどの耐震強度偽装問題で、姉歯秀次・1級建築士(48)が使っていた国土交通相公認の構造計算用プログラムのデータは、市販のワープロソフトなどを使って容易に改ざんできることが1日、わかった。
姉歯建築士が実際に、この手口で構造計算書を偽造していた可能性も指摘されている。公認ソフトの信頼性にかかわる事態に、国交省は、ソフト会社などから急きょ事情聴取を始めるなど、データ改ざん対策に乗り出した。
姉歯建築士が関与した偽装物件11棟に建築確認を出した民間の指定確認検査機関最大手「日本ERI」によると、姉歯建築士は、実際には存在する壁を計算上は無いことにしたり、壁の重量を「ゼロ」にしたりするなどして、構造計算書を偽造していた。
本来ならこのような不自然な入力を行うと、公認ソフトは、計算書に「エラー」の文字を印字するほか、「大臣認定番号」を打ち出さないことで、ミスを防ぐ仕組みとなっている。
ところがERIや国交省の調査で、この公認ソフトが出力するデータは、「ワード」などのワープロソフトに張り付けて編集できることが判明した。編集によりエラーの文字を消し、大臣認定番号を書き込むことができ、ERIは「断定できない」としながらも、姉歯建築士がこの方法で偽造していた可能性を指摘している。
(読売新聞) - 12月2日3時16分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051202-00000001-yom-soci