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2005年12月02日(金) 22時43分

東日本住宅評価センター、再点検でずさんな審査発覚読売新聞

 耐震強度偽装問題で、工事中のマンション1棟の偽装を見逃した民間の指定確認検査機関「東日本住宅評価センター」(横浜市鶴見区)は2日、同社が過去5年間に建築確認を出した構造計算書788件を再点検した結果、9割以上に必要な書類が添付されていないなど、ずさんな審査をしていたことを明らかにした。

 また同社は、偽装問題が表面化する約3週間前、姉歯秀次・1級建築士(48)による構造計算書について、別の確認検査機関から「改ざんの疑いがある」と情報提供を受けながら、担当者は全く偽造を見抜けなかったという。

 奥沢泰一社長が2日、国土交通省で会見して明らかにした。

 同社は、千葉県船橋市の「グランドステージ船橋海神」(11階建て29戸)の強度偽装を見逃していたことが明らかになった後、2000年10月以降に審査した788件の構造計算書を改めてチェックした。

 この結果、建築確認の際に添付が義務付けられている、国交相公認の計算用プログラムに関する「性能評価書」や「チェックリスト」などがないものが731件に達し、不備がないのはわずか57件だった。

 一方、国交省が偽造問題を公表する前の10月28日の段階で、同社は、指定確認検査機関「イーホームズ」の担当幹部から、「グランドステージ船橋海神の構造計算書が偽造された疑いがある」と指摘を受けた。ところが東日本社の構造審査担当者は、構造図面の数値を眺めただけで計算過程は全く点検せず「偽造はない」との結論を出していた。

 11月11日に国交省から正式に照会を受け、改めて見直したところ、梁(はり)の鉄筋が少ないなど、偽装はすぐに見抜けるものだったという。同社には38人の確認検査員がいるが、構造設計の専門家は補助員1人しかいない。
(読売新聞) - 12月2日22時43分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051202-00000113-yom-soci