2005年11月30日(水) 06時23分
松下の石油ヒーターに初の回収命令、一酸化炭素漏れの可能性で=経産省(ロイター)
[東京 29日 ロイター] 経済産業省は、松下電器産業<6752.T>の石油ファンヒーターから一酸化炭素が漏れる可能性があることから同社に対し、回収、点検・改修、危険性の周知など必要な措置をとるよう緊急命令を発動したと発表した。消費生活用製品安全法に基づく緊急命令で、発動するのは初めて。
緊急命令の対象は、松下が1985年−1992年にかけて製造した石油フラットラジアントファンヒーターなど25製品。これら25製品については、今年1月から4月にかけ、給気用のエアホースの亀裂から一酸化炭素が漏れたことになどにより死亡事故を含む中毒事故が合計3件発生しており、松下は経産省の指導によって、4月21日からリコールを開始していた。ただ、これらの措置をとっていたにも関わらず、11月21日に4件目の事故が発生。経産省は、再度の死者が発生したことを重くみて、初の緊急命令を発動した。
経産省によれば、製品の販売台数は15万2132台。11月24日時点でのリコールなどの対応済み台数は5万5499台で販売台数に対して36%となっている。ただ、経産省幹部によると、製品の販売から10年以上が経過していることから、実際の利用台数は販売台数より低いとみており、リコールなどの対応比率は36%よりも高いとみている。ただ、自動車のようにユーザーが特定できる製品と違って、石油ヒーターの回収作業を進めるのは難しく、今回の緊急命令は、この作業を促進することもねらいとしている。
松下に対する緊急命令の内容は、今年4月以降、必要な措置がとられていない製品について、回収を行うかエアホースの交換・点検など必要な改修を行ったうえで、25製品が危険であることの告知をさらに徹底させるもの。さらに、これらの措置の実施状況とその後の実施計画について12月6日までに報告を求める。
これまで松下は、4月までの3件の事故を受け、新聞やホームページサイトへの掲載などによる社告を行うとともに、新聞折込チラシ、販売経路を通じた名簿把握と点検、ダイレクトメール、修理履歴名簿からの追跡など措置をとってきた。今回の緊急命令を受けて、11月30日の新聞紙上に再度の社告を掲載し、告知の徹底や点検修理を加速して進めるとしている。
(ロイター) - 11月30日6時23分更新
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