2005年11月25日(金) 11時14分
ヘッジファンドについてより高い透明性が必要=バーゼル委員会議長(ロイター)
[チューリヒ 24日 ロイター] バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委員会)の議長を務めるカルアナ・スペイン中銀総裁は、ロイターのインタビューに対し、銀行がヘッジファンドと取引するうえで、リスク管理が重要であると指摘、そのためにはヘッジファンドの透明性の向上が不可欠との見解を示した。
同総裁は、ヘッジファンド業界には当局の監視が行き届いておらず、リスクの可能性を比較評価することが銀行にとって不可欠であるとの認識を示した。
インタビューの中で同総裁は「投資家・市場参加者が想定されるリスクを適切に評価するためには、開示情報の水準と質を引き上げる努力が必要だ」と発言。
また、「銀行監督当局として、銀行組織によるヘッジファンドに対するエクスポージャーの正確な測定・管理に重点をおくべき」との考えを示した。
カルアナ総裁は、ヘッジファンドが金融市場の「潤滑油」として機能し、効率性の向上につながっていると指摘。ただ、銀行のように当局の厳格な監督下にある金融機関から債務などのリスク資産を買い取ることによって、金融システム全体のリスクを増幅させる可能性があるとの見解を示した。
また同総裁は、オフショアセンターのような不透明な金融取引の場・しくみについても、バーゼル委員会として問題に取り組んでいく姿勢を明らかにした。
バーゼル委員会は現在、透明性向上・倫理規範の促進・金融事故の回避に向けて、いかに銀行が努力すべきかの詳細を定めた倫理ガイドラインの見直しを行っている。
(ロイター) - 11月25日11時14分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051125-00000056-reu-bus_all