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2005年11月23日(水) 00時00分

『姉歯』関与は1棟 耐震強度偽造問題 東京新聞

 偽造した構造計算書で耐震強度が不足したマンションなどが建設された問題で、上田清司知事は二十二日の定例会見で、県内の過去五年分の建築計画概要書を調査した結果、姉歯建築設計事務所が関与した建造物は、川口市内のマンション一棟しかなかったことを明らかにした。このマンションについても同日、川口市は「構造計算書の偽造はなかった」と発表した。 (藤原正樹、安藤恭子)

 会見で上田知事は「千葉県の過去十年分の聞き取り調査でも、埼玉県内では川口の一件しか見つかっていない。ほかにはないことが確認された」とした。国土交通省の指導を受け、県と、建築主事を置いている県内の十市、指定確認検査機関二カ所に保管されている過去五年間の計約二十万件の建築確認書類すべてについて、十二月二日までに構造計算書などに問題がないかチェックする。さらに県内の設計業界三団体に適正な業務徹底を指導し、外注先を含め、自主的な再点検を要請。偽造が見つかった場合は速やかに報告することを求めている。

 上田知事は「民間に任せた指定確認検査機関がうまく機能しないなら、県が監視・監査機能を持たざるを得なくなる」と指摘した。

 一方、川口市内の姉歯建築設計事務所が設計に関与したマンションについて、同市は「構造計算書の改ざんはなく、設計図書の中身も問題がなかった」とした。

 このマンションは、開発会社「ヒューザー」(東京都千代田区)を建築主に、姉歯建築設計事務所の構造設計で二〇〇二年十月に完成。二十二世帯が入居している。建築確認を行った民間検査機関「日本ERI」(東京都港区)に対し、構造計算書の偽造について調査報告を求めたところ、二十二日昼に口頭で「偽造はなかった」と回答を受けたという。市ではERIに正式な文書での回答をあらためて求めたほか、マンションの管理組合の理事長や住民に結果を報告する方針。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20051123/lcl_____stm_____000.shtml