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2005年11月20日(日) 02時56分

姉歯建築士 耐震計算 2社委託の12棟偽造 国交省、経費削減要請を調査産経新聞

 首都圏のマンションなどの耐震構造を示す計算書が偽造されていた問題で、すでに完成済みの十四棟のうち十二棟は都内の開発会社と熊本県の建設会社が関与し、両社とも姉歯(あねは)秀次一級建築士(48)に構造計算を請け負わせていたことが十九日、分かった。残り二棟は当初から姉歯建築士が設計者となっていた。国土交通省はこうした契約関係に注目しており、両社が姉歯建築士にコスト削減などを要請していなかったかどうか調べている。
 この両社は、中堅マンション販売会社の「ヒューザー」(東京都千代田区)と、中堅建設会社の「木村建設」(熊本県八代市)。十二棟のうち八棟で、いずれかが建築主か施工者になっていた。
 また、残り四棟はシノケン東京支店(東京都)が建築主、設計、施工となっている物件だったが、東京都の聴取に対してシノケンは「実際に設計・施工は木村建設が実施していた」と説明。木村建設も事実関係を認めており、設計・施工を委託された同社が構造計算を姉歯建築士に孫請けさせていた。
 一方、それぞれの物件の設計者は、都の調べに「建築主の指示で姉歯建築士に委託した」「建築主が直接、委託していた」などと話しており、姉歯建築士に構造計算を委託した背景にはヒューザーの意向が強く反映されていた実態が浮かんでいる。木村建設は、姉歯建築士に構造計算を委託した理由について「仕事が早いから」としている。
 これまでの国交省などの調べでは、判明している二十一棟で姉歯建築士が最初に構造計算書を偽造した物件は、ヒューザーが建築主となった東京都稲城市の九階建てマンション。平成十五年二月に建築確認が行われていた。次の偽造物件は東京都墨田区の十一階建てマンションで、ヒューザーが建築主、木村建設が施工者となっていた。
 国交省は、姉歯建築士がかかわった複数の物件を施工した木村建設が、工事の過程で偽造に気付かなかったかどうかも調べる。
 ヒューザーは産経新聞の取材に「当社から(姉歯建築士を)使うよう、設計者に頼んだことはない」(広報担当)と否定。木村建設は「姉歯建築士に外注し、民間の審査機関から建築確認が出た結果、工事が可能になった。(偽造は)通常考えられないことで、われわれも驚いている」(東京支店)と話している。
(産経新聞) - 11月20日2時56分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051120-00000000-san-soci