2005年11月19日(土) 03時04分
強度偽装マンション、半数以上が同じ建築主(読売新聞)
首都圏のマンションなどの耐震強度が偽装されていた問題で、「構造計算書」の偽造が判明した20棟のマンションの半分以上を、東京都内の同じ開発会社が建築主として手掛けていたことが18日、読売新聞の調べでわかった。
複数の建築設計事務所が都の調べに対し、計算書を偽造した設計事務所を下請けとして使うよう、この開発会社から紹介されたと説明していることも判明。開発会社側は「建設費が安上がりになる」と話していたという。
この開発会社は、近年、関東近郊などを中心に業績を伸ばしている新興のマンション開発・分譲会社(千代田区)。自治体関係者の話によると、今回、構造計算書が偽造されていた東京都内の10棟中の6棟と、神奈川県内の4棟すべて、千葉県内の6棟のうち2棟の計12棟を同社が開発し、そのうちの8棟はすでに販売されていた。
一方、国土交通省の調べで、書類を偽造した「姉歯(あねは)建築設計事務所」(千葉県市川市)は、ホテル1棟を含めた全21棟のうち、3棟は元請けとして、残る18棟については他の六つの建築設計事務所の下請けとして、構造計算をしていたことがわかっている。6設計事務所はいずれも都に登録していることから、都建設業課が今月14、15日に、担当者を都庁に呼んで事情を聴取した。
それに対し、各担当者はいずれも「まったく気づかなかった」などと話し、偽造への関与を否定。姉歯事務所を下請けに使った理由については、複数が「開発会社から使えと言われた」などと説明し、問題物件の半分以上を手掛けていた開発会社名を挙げたという。
この開発会社は17日、報道機関に送った文書の中で、強度が偽装されたマンションの中に自らの物件が含まれていたことについて「正に驚天動地、青天の霹靂(へきれき)」と主張。姉歯事務所に関しては「各設計事務所が外注した」としている。
姉歯事務所を元請けに紹介したとされることについて、読売新聞の取材に対しては18日、「その件では一切コメントできません」とだけ回答した。
(読売新聞) - 11月19日3時4分更新
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