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2005年11月18日(金) 00時00分

強度不足建設 偽造数値で費用1割減 市川の設計事務所 東京新聞

 偽造した構造計算書類で耐震性不足の恐れがあるマンションなどが建設された問題で、偽造された数値を基に建設した場合、真正な数値より建設費が一割程度削減できることが十八日、国土交通省の調べで分かった。「建設コスト削減」をアピールできる計算書で設計依頼を増やすため、問題の設計事務所が構造計算書類を偽造した可能性もあるとみて、同省は調査を本格化させる。 

 国交省によると、千葉県市川市の姉歯(あねは)建築設計事務所が偽造したとされる地震の力などに対する建築物の安全性を示す構造計算書の報告は、東京、千葉、神奈川の三都県のマンションなど計二十一棟(完成十四棟、工事中四棟、未着工三棟)。十五−三階建てで、ビジネスホテル一棟のほかはマンション。いずれも着工は二〇〇三年以降だった。

 鉄筋の量が少ないのが特徴で、本当にかかる地震の力の半分程度の力で計算、設計したため強度不足の恐れがあるという。

 偽造された数値を基に同省が専門家に試算してもらったところ、鉄筋や壁量が“節約”できるため、建設費を平均して約一割減らせることが分かった。

 この二十一棟のうち、施工業者未定の二棟を除く十九棟の施工業者は計七社と判明。だが、偽造と知らないまま設計書通りに建設した場合、施工側に過失はなく、同省も施工業者に事情を聴くつもりはない。

 ただ、国交省は「構造計算書の偽造で鉄筋量などが少なくなるため、施工業者も不審に思ったはず」とみており、「姉歯建築設計事務所への調査の過程で、仮に施工業者らの関与が浮上すれば、施工業者側にも事情を聴く可能性がある」としている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20051118/eve_____sei_____003.shtml