2005年11月17日(木) 21時03分
建築士が構造計算書偽造、地震で2棟倒壊の危険(読売新聞)
東京都と千葉、神奈川両県内のマンション計20棟とホテル1棟について、千葉県市川市内の建築設計事務所が耐震強度などを示す「構造計算書」を偽造していたことが判明、国土交通省は17日、建築基準法の耐震基準を満たしていない恐れがあるとして、地元自治体と協力し、避難を含めた住民への説明を開始した。
2棟のマンションについては、同省などの強度計算で「『震度5強』の地震で倒壊などの危険がある」という結果が出ており、大規模な補修や立て替えが必要となる可能性が高いという。
計21棟のうち、マンション13棟(計471戸)とホテル1棟はすでに完成している。あとの7棟のうち4棟が工事中で、残る3棟はまだ着工していなかった。都県別の内訳は、東京11棟、千葉6棟、神奈川4棟。
構造計算書を偽造していたのは、姉歯秀次一級建築士(48)が経営する個人事務所の「姉歯建築設計事務所」で、首都圏の中規模マンションの設計や、他の事務所の下請けとして、「構造計算」だけの業務などを請け負っていた。
国交省によると、同事務所は2003年2月〜05年10月の間、問題の21棟の柱や梁(はり)の構造計算をする際、建物にかかる外力の数値を実際の約半分にして入力していた。この結果、柱や梁が地震や台風などに耐えられない太さだったり、鉄筋が必要量より少なかったりしていた。
(読売新聞) - 11月17日21時3分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051117-00000013-yom-soci