2005年11月17日(木) 13時54分

＜ヤミ金融事件＞３被告に９４億円追徴認める　控訴審判決（毎日新聞）

　指定暴力団山口組五菱会（二代目美尾組に改称）のヤミ金融事件で、組織犯罪処罰法違反（犯罪収益等隠匿）などに問われた同会系ヤミ金融グループ元幹部で「ヤミ金の帝王」と呼ばれた梶山進被告（５６）ら３人の控訴審判決が１７日、東京高裁であり、仙波厚裁判長は１審判決を破棄し、３被告に対し、海外にある犯罪収益計約９４億円の追徴を認める判決を言い渡した。
　仙波裁判長は「大規模な組織的犯罪では、被害者の特定も損害賠償請求も全体のごく一部。（賠償請求対象の）犯罪被害財産に当たるとして追徴を許さないとした原判決の判断は誤り」と指摘。「被害者保護に役立たない上、犯罪利得が犯人からはく奪されないという不合理な結果を招く」と述べた。
　ほかに梶山被告には懲役６年６月、罰金３０００万円（１審・懲役７年、罰金３０００万円）▽同元幹部、松崎敏和被告（３６）に懲役４年６月、同２０００万円）（同５年、同２０００万円）▽同、奥野博勝被告（２９）に同４年６月、同５００万円（同５年、同５００万円）を言い渡した。梶山、奥野両被告から国内で押収した計約３億円の没収については「被害者らから民事訴訟が提起されている」などとして認めなかった。
　判決によると、梶山被告は違法収益で約４６億円の割引金融債を購入・換金し、他の金も含めて計５１億円をクレディ・スイス銀行（ＣＳ）本店の無記名口座に移すなどした。松崎、奥野両被告はＣＳ銀行香港支店元行員の道伝篤被告（４２）＝公判中＝らとともに、計約４３億円の割引金融債を購入・換金し、同支店口座に隠した。【佐藤敬一】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051117-00000046-mai-soci