2005年11月11日(金) 03時10分
<悪質リフォーム>ノルマ下回れば罰 マニュアル押収(毎日新聞)
大手住宅リフォーム会社「幸輝」(大阪府吹田市)のリフォーム詐欺事件で、同社が新規顧客獲得が最も多かった従業員を「月間MVP」として表彰する一方、ノルマが達成できない場合「罰ゲーム」を科していたことが、埼玉県警生活環境2課の調べなどで分かった。同課は同社東京支店の家宅捜索でセールストークのマニュアルなども押収しており、同社が「アメとムチ」を使い分け、組織的に強引な営業手法を展開していたとみて、上層部の関与についても追及する。
同課は、同社東京支店の家宅捜索で、額に入った従業員の顔写真入りの表彰状数枚を押収した。月に1000万円以上の契約を取った従業員を表彰したほか、月に千百数十万円を売り上げた大阪本社社員の月間MVPの表彰状も見つかった。一方で、同支店に掲示された「ノルマ達成できない場合は罰ゲーム」という張り紙も押収した。
また、同課が押収したマニュアルには強引な営業手法の詳細が記載されていた。マニュアルによると、顧客を訪問し契約を持ちかける「アポインター」は、「アンテナを支える針金がひずんでいる」「雨どいが傾いてます」「モルタルの外壁にヒビが入っている」などと持ちかける。点検と称して屋根に上り「瓦がずれているので雨漏りしませんか」などと言って屋根裏点検を迫り、「腐り始めています。明日、詳しい担当者に中を見てもらって見積もりを出しましょう」などと提案する。さらに、契約担当の「クローザー」に引き継ぐ手順なども詳細に記されていたという。
埼玉支店に所属していた上条陽介容疑者(27)=詐欺容疑などで逮捕=は今春、トップクラスの成績を収め表彰されたという。調べに対して「クローザーを担当していた」と供述しており、同課はマニュアルに沿った営業を重ねていたとみて追及している。【酒井祥宏、村上尊一】
(毎日新聞) - 11月11日3時10分更新
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