2005年11月11日(金) 21時17分
ウィニーで資料流出、賠償責任を一転認めず…札幌高裁(読売新聞)
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」が原因で感染したコンピューターウイルスにより、北海道警巡査の私物パソコンから捜査資料がネット上に流出し、交通違反の内容が不特定多数に漏れたとして、江別市の男性が道に慰謝料200万円を求めた訴訟の控訴審判決が11日、札幌高裁であった。
末永進裁判長は道に40万円の賠償を命じた1審・札幌地裁判決を取り消し、原告逆転敗訴を言い渡した。
判決では、巡査が自宅でネット接続した行為を「職務とは無関係の行為」と判断。道警の管理責任については「当時、このウイルスは広く知られておらず、流出の予見可能性はなかった」とした。
1審判決は、「捜査関係文書の保存、管理という点で、職務行為と一体不可分」と、自宅でのネット接続について巡査の注意義務違反や道の賠償責任を認定していた。
巡査のパソコンからは「現行犯人逮捕手続書」など5種6件の捜査資料がネット上に流出。事件被害者の名前や住所なども含まれていた。道警は04年12月、巡査を所属長訓戒としている。
(読売新聞) - 11月11日21時17分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051111-00000513-yom-soci