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2005年11月11日(金) 14時59分

ウィニーで情報流出、北海道が逆転勝訴…予見できずと読売新聞

 ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」が原因で感染したコンピューターウイルスにより、北海道警巡査の私物パソコンから捜査資料がネット上に流出した問題で、江別市の男性が道に慰謝料200万円を求めた訴訟の控訴審判決が11日、札幌高裁であった。

 末永進裁判長は、道に40万円の賠償を命じた1審・札幌地裁判決を取り消し、原告逆転敗訴を言い渡した。「自宅でパソコンを使った巡査の行為が職務行為との立証はなく、当時、このウイルスの情報は広く知られておらず、道警に流出の予見可能性はなかった」とした。

 判決によると、男性は未成年(19歳)だった2004年3月25日、江別市内で道路交通法違反の現行犯で江別署に逮捕された。その後、同署の巡査が作成した捜査報告書などが、保存していた私物パソコンから、ウィニーのウイルス「アンティニーG」によってネットに流出。交通違反の詳細な内容が、実名や住所とともに不特定多数に閲覧された。

 道警の管理責任について末永裁判長は「巡査がパソコンを自宅に持ち帰った2004年3月28日当時、アンティニーGの情報は広まっておらず、捜査情報が外部に流出するという結果について予見可能性があったということはできない」との判断を示した。

 1審判決は巡査の注意義務違反を認定し道に賠償を命じ、道が控訴していた。
(読売新聞) - 11月11日14時59分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051111-00000105-yom-soci