2005年11月11日(金) 15時55分
「スパイウエア」で逮捕の男、「フィッシング」行為も(読売新聞)
不正ソフト「スパイウエア」を使ったインターネットバンキングの不正送金事件で、不正アクセス禁止法違反容疑などで逮捕された平山喜一容疑者(34)らが昨年10月ごろ、イーバンク銀行(東京)のホームページの偽サイトを作って、顧客のパスワードなどを不正入手する「フィッシング」行為をしていたことが11日、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターの調べでわかった。
この手口で顧客預金の詐取に失敗した2人は、スパイウエア事件を思いついたという。
平山容疑者の供述などによると、平山容疑者が偽サイトを作ることを思い立ったのは昨年春。
当時、有名女性歌手が何者かに、銀行口座から多額の預金を引き出される事件があり、「パスワードがわかれば、簡単に金が取れる」と考え、IT関係の会社員だった知人の男(31)(スパイウエア事件で指名手配)に話を持ちかけたという。
2人は同10月ごろ、イーバンク銀行の偽サイトを完成。本物のサイトと間違えてアクセスしてきた顧客から、パスワードなどを盗み取っていた。
しかし、銀行側が偽サイトに気付き、対策を講じるなどしたため、顧客の預金詐取に失敗。このため今年6月ごろから、顧客に直接、スパイウエアを忍ばせたメールを送りつける手口に変えたという。
2人は、インターネットのショッピングサイトに出店していて、ネットバンキングを利用しているとみられる企業を選び出し、約600通のスパイウエアメールを送信。1100万円余の預金詐取に成功した。
各金融機関が被害を公表し始めると、今度は、金融機関をかたって、スパイウエアを忍ばせたCD—ROMを企業に送りつける手口を編み出し、犯行を続けていた。
一方、これまでの警視庁の調べで、2人は、他人の預金を自分たちが管理する口座に移した後、コンビニの現金自動預け払い機(ATM)から預金を引き出す際、闇サイトなどで募った「便利屋」を使うこともあったといい、同庁で詳しく調べている。
(読売新聞) - 11月11日15時55分更新
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