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独特のねっとりとした食感が特徴のサトイモ。貯蔵したものは1年中出回っているが、甘く、軟らかな旬の味わいを楽しめるのは、ちょうど今ごろだ。パスタ、カレー、団子など、ふだんあまり口にしないサトイモの料理を食べ歩いた。(斉藤圭史)
サトイモは、日本に稲が伝わる以前から栽培されていたと言われる歴史の古い食べ物。他のイモ類に比べて低カロリーで、ぬめりに含まれた食物繊維には整腸作用があるという体にやさしい食材だ。
「ほっこりとした軟らかいサトイモを楽しむならば、今の時期」と話すのは、東京のJR新宿駅に隣接した「キハチ イタリアン」新宿フラッグス店のシェフ石川泰史さん。同店では、「秋鮭(あきざけ)と里芋のトマトクリームスパゲティ」(1365円)が味わえる。
ゆでたサトイモと焼いたサケを、自家製のトマトクリームソースと合わせたシンプルな料理。クリームソースと絡まったサトイモはホクホクとして、トマトの酸味が甘さをいっそう引き立てている。
「独特の食感は、クリームソースによく合います。焼いたサトイモにサワークリームを塗って食べてもおいしいですよ」と石川さん。
東京都港区の「ホテルJALシティ田町・東京」では、ホテル内にある和洋中の各レストランで、サトイモを使った料理を食べられる。「ホクホク里芋コロッケ」(700円)は、滑らかな舌触りで濃厚な味。今月からの新メニューという「里芋と明日葉入り薬膳チキンカレー」(1300円)は、さっと揚げたサイコロ大のサトイモが香ばしく、33種のスパイスとハーブを使ったルーにまろやかさを加えている。バイキング(3400円)などでは、甘辛く味を付けた角煮も味わえる。
岐阜県関市の特産物「円空(えんくう)里芋」は、モチモチとしたねばりと深い味が特徴。岐阜市の和菓子店「緑水庵(りょくすいあん)」では、この円空を使った粒あん入りの「円空里芋串(くし)だんご」(1本157円)などを販売している。素朴な味と見た目が、どこか懐かしさを感じさせる。インターネットでも購入できる。同店常務の藤吉一郎さんは「モッチリとした歯ごたえを楽しんで」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/food/trend/20051110gr04.htm