2005年11月10日(木) 23時47分
4金融機関から不正送金、「スパイウエア」男逮捕(読売新聞)
「スパイウエア」と呼ばれる不正ソフトで、インターネットバンキングを利用している企業のIDとパスワードを入手し、自分が管理する銀行口座に預金を勝手に移していたとして、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターは10日、千葉市若葉区若松町、無職平山喜一容疑者(34)を、不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕したと発表した。
平山容疑者は、四つの金融機関の10口座から、計約1140万円を不正送金させたといい、同センターで裏付けを急ぐ。スパイウエア事件の摘発は国内で初めて。
この事件で、同センターは、東京都江戸川区の男(31)も同容疑で指名手配した。
調べによると、平山容疑者らは今年7月1日、川崎市の貴金属販売会社が口座取引に使っているIDとパスワードを勝手に使って、自分のパソコンからジャパンネット銀行(東京)のサーバーにアクセス。同社の口座から、自分たちで管理する別の都銀の借名口座に21万6000円を勝手に振り込んだ疑い。
平山容疑者らは、インターネットのショッピングサイトに出品していた同社に対し、商品への苦情を訴えるメールを装って、スパイウエアを忍ばせた電子メールを送付。スパイウエアに感染した同社のパソコンから、IDとパスワードを平山容疑者側に自動転送させていた。
平山容疑者は、ジャパンネット銀行以外に、イーバンク銀行(東京)、みずほ銀行(同)、大川信用金庫(福岡県)のサーバーにも同様の手口で不正アクセスし、10社の口座から総額1140万5000円を、闇サイトを通じて購入した四つの借名口座に不正送金させたことを認めている。
最近、千葉銀行と北陸銀行の顧客に、「スパイウエアを防ぐ」などと偽ったスパイウエア入りのCD—ROMが送られてきた事件についても、平山容疑者は関与をほのめかしているという。
同センターでは、指名手配された男がスパイウエアのソフトを開発し、平山容疑者が犯行を計画したとみている。平山容疑者らは、だれがどこからアクセスしたか特定されないよう、足立区内などでセキュリティーのかかっていない他人の無線LANの電波を探し出し、勝手に使ってアクセスしていた。
(読売新聞) - 11月10日23時47分更新
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