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2005年11月10日(木) 19時39分

法廷内イラスト一部適法、林被告の訴え高裁に差し戻し読売新聞

 和歌山市の毒物カレー事件で殺人罪などに問われ、死刑判決を受けて上告中の林真須美被告(44)が、法廷内の隠し撮り写真とイラスト3枚を写真週刊誌「フォーカス」(休刊)に掲載され、肖像権を侵害されたとして、出版元の新潮社などに損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決が10日、最高裁第1小法廷であった。

 島田仁郎裁判長は「写真は違法だが、イラストは、手錠・腰縄姿の1枚を除き適法」と述べ、すべてを違法として新潮社に440万円の支払いを命じた2審・大阪高裁判決を破棄し、賠償額の見直しのため、審理を同高裁に差し戻した。写真による肖像権侵害については、220万円の賠償命令が確定した。

 島田裁判長は、肖像権侵害について、「撮影された人の社会的地位や活動内容、撮影の場所、目的、態様、必要性を総合的に考慮し、その人が受忍できる限度を超えていれば賠償責任が生じる」との判断基準を最高裁として初めて示した。

 フォーカスは、1998年11月に和歌山地裁の法廷で隠し撮りした林被告の写真を、99年5月26日号に掲載。林被告が肖像権侵害だとして提訴すると、同年8月25日号では、「本誌を訴えた林真須美殿へ——絵ならどうなる?」と題して、法廷での姿を描いたイラスト3枚を掲載した。
(読売新聞) - 11月10日19時39分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051110-00000308-yom-soci