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2005年11月10日(木) 20時42分

<スパイウエア>パソコンに感染、預金を別口座に送金 毎日新聞

 「スパイウエア」と呼ばれるソフトを使い、他人のインターネットバンキングのIDとパスワードを不正に入手し、預金をだまし取ったとして警視庁ハイテク犯罪対策総合センターと葛西署は10日、千葉市若葉区若松町、無職、平山喜一容疑者(34)を不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕し、東京都江戸川区の無職の男(31)を同容疑で指名手配したと発表した。今年7月から、メールやCD—ROMを通じてパソコンをスパイウエアに感染させられ、預金を別口座に送金される被害が七つの金融機関で発生しており、いずれも平山容疑者らが関与しているとみて追及している。【合田月美、鈴木泰広】
 調べでは、平山容疑者らは7月1日、不正に入手した川崎市の貴金属販売業者のIDとパスワードを利用し、インターネット専門のジャパンネット銀行にアクセス、業者の口座から21万6000円を自分たちの銀行口座に送金した疑い。
 スパイウエアは、インターネットを経由してパソコンの情報を盗み出すソフト。平山容疑者らはスパイウエアを自ら作り、インターネット商店街の「楽天市場」などの出店業者に客を装って約600通のメールを送付。10業者からIDとパスワードを入手していた。業者がメールを開かざるを得ないようにするため、件名を「苦情」などとし「不良品だった。添付ファイルの写真を見て」と書き込んでいた。
 平山容疑者らは、同じ手口で今年7月1日と5日に▽イーバンク銀行の1口座から13万円▽ジャパンネット銀行6口座から約380万円▽みずほ銀行2口座から548万円▽大川信用金庫1口座から200万円——の計4金融機関10口座の約1140万円を、自分たちが管理する口座に移していたという。
 また10月から今月にかけ、千葉銀行、北陸銀行、城北信用金庫の3金融機関を送り主と偽ったCD—ROMが顧客や取引先に郵送され、インストールした取引先の一部が不正送金の被害に遭う事件があった。CD—ROMでスパイウエアを感染させる手口で、平山容疑者はこれらについても関与をほのめかしている。
 平山容疑者は以前、出会い系サイトを運営する会社を経営。03年ごろ、仕事で、コンピューター関連会社に勤めていた江戸川区の男と知り合った。調べに「生活に困っていた。新聞などに大きく報道されて怖くなってやめた」と供述、昨年10月には「フィッシング」と呼ばれる手口でイーバンク銀行の顧客のパスワードを盗もうとしたことも認めている。
(毎日新聞) - 11月10日20時42分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051110-00000124-mai-soci