2005年11月10日(木) 17時40分

悪質リフォーム：県、業者に初の行政処分　４４人から計１６６５万円被害相談　／佐賀（毎日新聞）

　県くらしの安全安心課は９日、高齢者宅を狙って強引に不必要な住宅リフォーム工事を行っていたなどとして、小城市牛津町の通称「富士総建」の代表者（３２）に、特定商取引法に基づき、業務の適正化を図るよう指示した。富士総建に関しては、０２年度以降、県内４４人（平均年齢７８歳）から総額１６６５万円の被害相談が同課にあった。
　同法違反での行政処分は県内で初。県は、２３日までに改善措置について報告させる。今後改善されない場合は、業務停止を命じ、刑事告発する。
　県によると、富士総建は（１）了解もなく家に上がり込み、勝手に作業を始める（２）虚偽の欠陥を家主に告げる（３）工事費用を聞かれても教えない（４）契約締結後でなく、工事終了後に契約書を作成——などの違法行為をしていた。０４年４月には、７０歳代の一人暮らしの女性宅で、無理やり床下に入って「このままでは座敷の床が落ちる」とうそをつき、女性が再三断ったにもかかわらず、勝手に総額２５万円の補強金具を取り付けた。
　富士総建は登記のない個人経営で、代表者は「７月以降は事業をやめた」と話しているという。また、０４年度以降の被害総額約７００万円のうち、約３００万円は県の支援による契約解除などで被害回復された。【宮本尚慶】

１１月１０日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051110-00000168-mailo-l41