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国民生活センター(東京)は7日、4月に全面施行された個人情報保護法に関する相談状況(9月末現在)を公表した。各地の112消費生活センター分も合わせて計3238件。過剰反応のほか、電話勧誘を止められないなどの相談、個人情報を軽視する業者への苦情と、大きく三つに分かれた。同センターは過剰反応について、「社会に定着してきた個人情報の提供が、形式的な解釈や運用で不可能になるのは、保護法の本来の趣旨に沿ったものとは言えない」としている。
同センターの専用窓口への相談は916件。
関東地方に住む60歳代の男性からは、今年夏、私鉄の駅構内のエスカレーターで転倒した人の巻き添えになり、けがをして入院したが、私鉄側が原因となった人の連絡先を個人情報保護を理由に教えてくれないとの相談があった。男性によると、私鉄側は「設備に問題はなく、会社に責任はない。補償などは相手と直接話し合ってほしい」と答えたといい、男性は「連絡先が分からないから、話し合いもできない。入院費もリハビリ費用も自分で払っている」と途方に暮れた様子だったという。
センターは「保護法では、生命、身体、財産の保護のために必要なら本人の同意なしに個人情報の提供を認めている。このケースでは、私鉄側が加害者に同意を求めるか、情報提供できるか専門家に相談しても良かったのではないか」と私鉄側の姿勢に疑問を示し、「法律違反になるかもしれないリスクを負うより、個人情報は提供しない方がよいという対応が、批判を生んでいる」と分析した。