2005年11月07日(月) 03時09分
<廃液不正混入>石原産業本社など8日家宅捜索 三重県警(毎日新聞)
化学メーカー、石原産業の土壌埋め戻し材「フェロシルト」を巡る問題で、三重県警は6日、同県からの告発を受け、廃棄物処理法違反容疑で8日に同社の本社(大阪市)や四日市工場(同県四日市市)などの家宅捜索に踏み切る方針を固めた。
県が告発したのは、フェロシルトの製造・販売に関与したとされる四日市工場の元副工場長(68)と、法人としての同社。
同県は、同県亀山市辺法寺町に埋め立てられたフェロシルト(約13万トン)に関する契約を問題視。同社が四日市、同県鈴鹿両市内の業者に1トン当たり150円で販売する際、用途開発費などの名目で逆に約20倍の1トン当たり3000円前後を両業者に支払っていた。同県は、この「逆有償」行為を基にフェロシルトを「産業廃棄物」とみなし、取り扱った業者が産廃処分業の許可を持っていないことから廃棄物処理法の委託基準違反が成立するとみている。
同県警は100人規模で家宅捜索を行い、これまで同社が任意提出を拒んでいた資料などを押収し、関係者の事情聴取と併せて全容解明を進める。会社の組織的な関与や受託業者側の責任も追及することにしている。【丸林康樹、田中功一】
◇土壌埋め戻し材「フェロシルト」問題の経緯
土壌埋め戻し材フェロシルトは、石原産業の主力製品である酸化チタンを製造する過程で排出される廃液(廃硫酸)を中和させて作った土状の製品。同社が03年3月に三重県にリサイクル製品として申請し、同年9月に認定された。三重、愛知、岐阜県、京都府内の埋め立てに70万トン超が使用されたが、昨年末以降、愛知県内で野積みされたフェロシルトが流出して川の水が赤く染まったり、埋め立て現場から微量の放射性物質や六価クロムが検出されたりする事態に。今年6月、同社はフェロシルト自主撤去方針を示し、三重県もリサイクル製品の認定を取り消した。
一方、同社は10月12日、同社四日市工場(同県四日市市)で、産廃として処分すべき廃塩酸などの廃液をフェロシルトに不正混入していたと発表。同社本社や四日市工場への立ち入り調査の結果、三重、愛知、岐阜県がフェロシルト全量を「産廃」と判断した。
(毎日新聞) - 11月7日3時9分更新
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