2005年11月07日(月) 10時23分
<悪徳リフォーム>「幸輝」を家宅捜索、元従業員2人を聴取(毎日新聞)
不要なリフォーム工事をして現金をだまし取ったとして、埼玉県警生活環境2課と東入間署は7日、詐欺と特定商取引法違反(不実の告知)容疑で大手住宅リフォーム会社「幸輝」の東京支店(東京都大田区)の家宅捜索を始めた。元従業員2人から事情を聴いている。同社は、悪質リフォームで全財産約4400万円を失った同県富士見市の認知症の老姉妹と契約を交わした19業者の一つ。
また、京都府警も7日、特定商取引法違反(不実の告知)容疑で大阪府吹田市の本社の捜索に着手した。県警と府警は、関係資料を押収して分析し、同社上層部からの指示など組織的な関与がなかったかも捜査する。
埼玉県警の調べでは、元従業員2人は04年10月ごろ、同県上尾市の男性(71)方を訪れ、「屋根裏が腐っている。地震が来ると家が崩れる」とうそを言って補強工事の契約を交わし、屋根裏にL字型金具を取り付けるなど、不要な工事をして現金数十万円をだまし取った疑いが持たれている。同社は2人の他にも数人の従業員が03年10〜11月にかけ、富士見市の老姉妹と屋根裏の補強工事や断熱工事など計約580万円の契約を交わしている。
また、京都府警の調べでは、同社従業員が今年3月ごろ京都市内の70代無職女性宅を訪れ、「このままでは地震で家がつぶれる」とうそを言って屋根裏の耐震補強工事をして、数十万円を受け取った疑い。
同社をめぐっては、03年9月に中国広東省珠海市のホテルで、社員288人が200人弱のコンパニオンを相手に買春したとされる。中国当局は、社員3人を国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、組織売春容疑で国際手配している。
民間の信用調査機関によると、同社は通信機器の販売を目的に92年12月設立。01年8月にリフォーム業界に参入後、業績を大幅に伸ばした。従業員約560人で、04年の売上高は64億5000万円に上る。
老姉妹の問題では、19業者のうち「ハウス・ケアー・サービス」(東京都世田谷区)が、「消費者の判断力不足に乗じて契約を結んだ」として、埼玉県から特定商取引法に基づく改善指示処分を受けている。【酒井祥宏、村上尊一、和田憲二】
(毎日新聞) - 11月7日10時23分更新
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