2005年11月04日(金) 15時05分
<飲む発毛薬>万有製薬に問い合わせ殺到 過大な期待禁物(毎日新聞)
国内初の飲む発毛薬「プロペシア」(一般名・フィナステリド)が年内にも発売されるのを受け、輸入・販売する万有製薬(本社・東京都)には、厚生労働省が承認した10月11日以降、1000件以上の問い合わせが殺到している。薄毛に悩む男性は800万人とも言われ、「夢の薬」への期待は高まるが、以前から輸入している医師は「良い薬だが過大な期待は禁物」と話している。
プロペシアは98年に米国で販売開始。日本では、男性型脱毛症の男性414人を対象に01年から臨床試験が行われた。毎日1錠(1ミリグラム)を1年間服用した139人のうち58%が改善し、40%が現状維持、薄毛が進行したのは2%だった。0.2ミリグラム服用の137人も同様の結果だった。
これに対し、偽薬を服用した138人は、22%が進行し改善は6%にとどまった。厚労省は脱毛症の進行を遅らせる効果を認め、輸入販売を承認した。同社によると、予想以上の反響で出荷体制の整備に時間がかかり、発売が当初より約1カ月遅れるという。
薬は脱毛の原因となる男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン」を作る酵素の働きを抑える。このため精力減退などの副作用が現れ、服用を止めると元の薄毛に戻ってしまうという。
7年前から輸入している「脇坂ナカツクリニック」(大阪市)の脇坂長興院長は「市販の育毛剤との併用で約8割の患者に改善効果があった。禁煙や十分な睡眠など生活パターンを変えることも必要だ」と指摘する。
プロペシアの購入には医師の診断が必要。参考処方価格は0.2ミリグラムと1ミリグラムのいずれも1錠250円。【根本毅】
(毎日新聞) - 11月4日15時5分更新
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