2005年11月03日(木) 23時34分
韓国「自国産キムチからも寄生虫の卵」、日本にも輸出(読売新聞)
【ソウル=中村勇一郎】韓国の食品医薬品安全庁は3日、韓国メーカー16社が生産した韓国産キムチから寄生虫の卵を検出したと発表した。
このうちの「ネゴヒャン食品」(本社・光州)は、日本にキムチを輸出しており、同庁は日本政府に検査結果を通知した。
同庁は記者会見で「国民に不安を与え、申し訳ない」と謝罪した。
韓国政府は先月、中国産キムチから寄生虫の卵が検出されたと発表。これに対し中国側が、韓国産キムチからも寄生虫の卵が検出されたと応酬したが、その時点で同庁は、「韓国産からは検出されなかった」と安全性を強調していた。
同庁は今回、韓国のキムチメーカー502社の製品を検査した。16社の中には、韓国内の大手百貨店や観光地などに製品を卸し、韓国のインターネットショッピングで人気1位を獲得した大手メーカーも含まれていた。また、韓国産の白菜165個を無作為抽出して検査したところ、8個から回虫など寄生虫の卵が見つかった。
「ネゴヒャン食品」は昨年、日本に43トン(約1000万円相当)のキムチを輸出していたという。同庁は同社の在庫キムチを回収するとともに、今後は輸出前に寄生虫検査を徹底する方針を明らかにした。同庁は「感染した場合でも駆虫薬で治療可能」と説明している。
韓国は昨年、約3万4800トンのキムチを輸出しているが、約93%の3万2400トンが日本向けだった。
◆厚労省が追跡調査◆
厚生労働省輸入食品安全対策室によると、過去に海外から輸入された野菜や野菜の加工食品から寄生虫卵が検出されたケースはほとんどない。このため韓国製のキムチについて、これまで寄生虫卵の有無の検査をしてこなかった。しかし今回の問題を受け、10月下旬からキムチに対する輸入時の検査を強化しているという。
同省は現在、韓国から日本に輸入されたキムチの追跡調査をしている。寄生虫卵が検出された「ネゴヒャン食品」製のキムチも見つかり次第、検査を行う方針だ。
(読売新聞) - 11月3日23時34分更新
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