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隠しカメラは九月上旬、東京、千葉、埼玉の三都県の十数店舗で見つかった。ある銀行関係者はUFJ銀行だけが狙われた理由について「二十四時間営業している無人店舗が多く、チラシを入れる小箱が操作画面の上にあったのも一因では」と指摘する。
東京都港区の同行六本木出張所で見つかったのは、直径約二センチ、厚み約一・五センチのカメラ二台を乾電池につなぎ、名刺大の小箱にテープで固定させた代物。箱の底に開けた小穴から操作画面とキャッシュカードの挿入口を盗撮する仕組みだった。このタイプのカメラは二万−十万円で市販され、二十メートルほど離れた所でも映像が受信できる。
だが、犯行目的はやぶの中だ。暗証番号を盗撮し、後でカードを盗み取り、現金を引き出す手口が疑われたが、周辺ですりやひったくりの被害は確認されていない。警察幹部は「カード番号と暗証番号だけでは、お金は引き出せない。ネットバンキングも利用できない。一体何のためなのか」と考えあぐねている。
隠しカメラの設置役を監視する者も浮上するなど、組織的な犯行についてさまざまな見方がされている。
一九九三年、警視庁などに摘発された窃盗団はATMの隠しカメラで盗撮した暗証番号と、捨てられた利用明細書のデータを不正入手した他人のカードに上書きして偽造し、現金を引き出していた。
手口としては似ているが、コンピューター犯罪に詳しい駿河台大の鳥居壮行教授(情報セキュリティー論)は「利用明細書に口座番号が記されなくなったので、代わりに口座番号を盗撮してカードを偽造している可能性がある」と推測する。
日本情報安全管理協会の剣木(けんのき)博文業務企画課長は、クレジット機能付きカードが狙われたとみる。「カード番号や有効期限、名義が分かればネットショッピングができる。これから請求書が届き、被害が表面化するのでは」と、警告している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051029/eve_____sya_____000.shtml