2005年10月25日(火) 03時03分
マンションで共用、5チャンネル一括録画 装置販売差し止め 大阪地裁(産経新聞)
「著作隣接権を侵害」
マンションに住民共用のサーバーを設置し、住民が予約したテレビ番組を一括録画して好きな時間に視聴できるシステムは著作権を侵害するとして、在阪の民放五社が販売会社クロムサイズ(東京)にシステムの販売差し止めなどを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は二十四日、権利侵害を認め、五社の放送地域で販売しないよう命じた。
一括録画システムの共用が、著作権法で例外的に録画が認められる「私的使用」に当たるかどうかなどが争点となった。
同社は「使用するのは住民。私的使用であり適法」などと主張したが、判決理由で山田知司裁判長は「録画の主体はマンション管理組合などシステムの設置者。使用者と異なるため、私的使用に当たらない」と判断。
「システム販売により、著作権に関連する著作隣接権の侵害がほぼ必然的に起こる」として違法性を認定し、民放側の差し止め請求を認めた。
判決によると、システムは「選撮見録(よりどりみどり)」の名称で集合住宅用に開発され、サーバー一つで約五十戸に対応。最大五チャンネルの番組を一週間分すべて録画することが可能で、データは一週間、共有のサーバーに保存され、住民は予約した番組を自宅のテレビでいつでも自由に再生できる。
五社は自社制作の番組には著作権があるとして、著作権侵害も主張したが、判決は「著作権があることを十分証明していない」と指摘。著作物などの伝達者が持つ「著作隣接権」についてのみ侵害を認め、販売差し止めの範囲を五社の放送地域内にとどめた。
選撮見録は大阪市内の分譲マンションなどに導入される予定だった。
原告は毎日放送、朝日放送、関西テレビ、読売テレビ、テレビ大阪。
(産経新聞) - 10月25日3時3分更新
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