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2005年10月25日(火) 17時22分

『Google』の検索から自分を守る方法(上)WIRED

 サンディエゴ在住のジェリ・アガリアさんは、ほとんどの米国人と同じように、個人情報に結びつく痕跡を残しているように見える。自分の名義で電話を所有し、銀行口座を持ち、公共料金を支払い、ローンもクレジットカードもある。しかし、定時制の学校に通いながら主婦業をしているアガリアさんは、インターネットの世界では減少の一途をたどっているえり抜きの特権階級に属している——アガリアさんの名前は『Google』(グーグル)でヒットしないのだ。

 「プライバシーを大切にしているだけ」とアガリアさんは話す。「政府や企業はすでに、マーケティング目的で個人のことを知りすぎていると思う」

 インターネットが日常生活に浸透するにつれ、ウェブ上にうっかり自分への道しるべを残してしまう人が増えている。ひとたび残せば、Googleの無慈悲なクローラーがそうした情報を吸い上げ、名前を検索しようとする人のためにそれらを吐き出すことになる。いよいよGoogleで検索される機会が増すにつれ、恋愛や雇用の様相が以前とは変わってきている。また、配偶者から暴力を受けている人のようにプライバシーの問題が生死にかかわる人々は実際に頭を抱えている。

 Googleの検索結果によって、関係者までもが衝撃を受けることもある。米CNETネットワークス社の『ニューズ・コム』のジャーナリストは7月、米グーグル社のエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)の私生活や経済状態に関する情報をGoogleの検索で集めて公表した。このときグーグル社は報復として、同社の従業員がCNET社の関係者と話すことを http://www.wired.com/news/culture/0,1284,68486,00.html 禁止した(この禁止令は先月末に解除されている)。

 このようにGoogleは圧倒的な情報収集能力を備えているが、この何でもお見通しのGoogleから首尾よく逃れている人々がいる。単に運が良かっただけの人もいるが、意識的に努力している人もいるし、その両方の場合もある。

 Googleの検索をかいくぐるこれらの人々は、本名でオンラインに投稿したり、ブログを書いたり、ウェブページを作って公開することはない。また、企業に情報を提供する際は慎重を期し、個人情報を漏らす可能性のある団体にはほとんど所属しない。さらに、オンラインでは決して履歴書を提示しない。Googleはこうしたところから個人情報を収集するのだ。彼らは仮名を使うことを条件に、ワイアード・ニュースの取材に応じてくれた。

 アガリアさんの場合、オンラインポーカーのサイトを複数利用しているが、身元が絶対にばれないように必ず偽の情報を入力しているという。また、オンライン購入は控え、『 http://www.truste.org/ トラストe』のようなプライバシー監視組織の認定を受けたウェブサイトを選ぶようにしている。『 http://www.lego.com/legoland/california/default.asp?locale=2057 レゴランド』のサイトでくじを勧められたときには、個人情報の提示を求められたので取り消したという。

 「ID窃盗からの自衛策だ」とアガリアさんは話す。アガリアさんは数ヵ月前にクレジットカード番号を使われそうになったが、有効期限が間違っていたため事なきを得たという。「請求書は細かく引き裂き、情報は与えず、電話勧誘は相手にしないようにしている」

 フィラデルフィアで不動産投資業に携わるビクター・リンツさんは、自分の名前がGoogleでヒットしないのは意外だと述べている。リンツさんはかつて有名な洋菓子店を所有していたことがあり、地元や全米規模のメディアに取り上げられていたのだ。

 「運よく見過ごされただけだと思う」とリンツさんは話した。「自分名義の電話もあるし、公共料金も自分で支払っている。クレジットカードは5枚も持っている。それに、ダイレクトメールもひっきりなしに来る……1つだけ言えるのは、同窓会やクラブといったたぐいの団体にいっさい所属していないことだ。会合などに参加することもない」

 リンツさんのようにグループ活動を避けることが、Googleをかわすカギなのかもしれない。多くの学校、市民団体、クラブが名簿や議事録を発行しており、それらが最終的にウェブに掲載されてしまうのだと、プライバシー保護を訴える人々は指摘する。軽率な雇用者が事前の通告なしに、従業員の名前をオンラインのPR誌に掲載してしまうこともある。

 『 http://www.privacyactivism.org/ プライバシー・アクティビズム』の責任者デボラ・ピアース氏は次のように話す。「たとえ自分が十分に注意していても、誰かが情報を持っていて、オンラインで掲載してしまったら、その人に連絡して削除を頼むくらいしか取るべき方法がない」

 アガリアさんは、自分の身内でさえGoogleに情報を漏洩する可能性があることを身をもって知った。アガリアさんの遠い親戚が家系を紹介するサイトに、アガリアさんと夫、そして息子の名前を掲載したのだ。夫が『トマホーク』ミサイルをイラクに運ぶ米海軍の戦闘部隊の第1陣に配置された時、夫自身や家族がテロリストの標的にされるのを防ぐために目立った行動は控えるよう司令官に命じられたことを、アガリアさんはその親戚に伝えた。親戚はアガリアさん一家の名前をサイトから削除することに同意し、アガリアさんはGoogleの検索結果から名前を消すという離れ業を成し遂げた。

(10/26に続く)

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(WIRED) - 10月25日17時22分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051025-00000001-wir-sci