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2005年10月22日(土) 00時00分

教諭狙い振り込め詐欺 体罰など示談金要求 留守宅電話相次ぐ 高岡で数百万被害 東京新聞

 富山県内で先月上旬から今月にかけ、小中学校などの教諭宅にわいせつ行為や体罰などの示談金を名目に現金を要求する電話が相次ぎ、十九日には実際に約二百九十万円がだまし取られていたことが分かった。同県教育委員会によると十九、二十日両日だけでも四十九件の報告があり、高岡署は振り込め詐欺事件とみて調べている。いずれも教諭本人が留守で家族しかいない時間帯を狙っており、同署と県教委が注意を呼びかけている。

 調べでは、十九日午前、高岡市内の中学校の女性教諭宅に弁護士を名乗る人物から電話があり、七十代の母親が出たところ「お子さんが生徒に体罰を行い、けがをさせた。示談金を振り込んでほしい」と要求。校長、生徒の保護者、本人と称する人物が次々と電話口に出た。本人という女性が泣きじゃくるなど巧妙な演技に、母親は郵便局の指定口座に約二百九十万円を入金。その直後、本人への電話確認でだまされたと分かったが、金は既に引き落とされていた。

 高岡市教委によると、同市内の小中学校などの教諭宅への電話はこのほか、先月上旬にもわいせつ行為を訴えた十一件の報告があり、うち一件で約二百万円をだまし取られる被害があったという。今月に入ってからは体罰などの暴力行為の責任を問う内容の電話が二十一日までに約三十件の報告があり、うち十九、二十日に二十四件が集中している。

 同市教委は「最近、県内で教員の不祥事が相次いだことから狙われたのだろう」と推測。県教職員名簿は市販されており、昨年度分までは住所、電話番号も記載されていた。同市教委は「退職教諭宅にも電話があったから、古い名簿を入手し、無作為にかけているようだ。同一宅に複数回かかったケースもあり、犯行グループは複数の可能性がある」とみている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tym/20051022/lcl_____tym_____004.shtml