2005年10月13日(木) 17時20分
国勢調査:“酷勢調査” 調査員、受難相次ぐ 6人が犬にかまれる /広島(毎日新聞)
◇「対策マニュアル」も効果薄
1日にあった国勢調査で、県内の国勢調査員6人が調査票の配布や回収などで訪れた先で犬にかまれていたことが12日、県統計管理室などのまとめでわかった。被害に遭った6人はいずれも軽傷だが、前回00年も同様に7人がかまれており、ペットブームで飼い犬の数が増える中、県は頭を抱えている。
同室などによると、11日までに安佐南区で2件、安佐北区と福山、江田島、大竹各市でそれぞれ1件の被害が報告されたという。調査票の回収期限は今月10日だったが、調査員の任期は19日までで、まだ回収が続いている場合もあり、被害件数が増える可能性もある。
6人のうち安佐南区の1件は、50代の女性調査員が民家の敷地内で家人に声を掛けようとしたところ、飼い犬の大型犬に飛びつかれた。調査員は腕にはめていた「国勢調査員」と書かれた腕章越しに腕をかまれたという。調査員は「腕章がなければ、もう少しひどいけがを負っていたかもしれない」と話したという。
総務省は、調査開始前に「安全対策マニュアル」を調査員に配り、「犬は調査に来た人か泥棒かの見分けがつかない。まず犬小屋の有無などの確認を」「犬が鎖につながれていても鎖が長い場合もあるので注意を」などと呼びかけた。だが、県統計管理室は「調査員に注意を促すしか、具体的な対策はない」と話している。
県食品衛生室によると、狂犬病予防法に基づく県内の飼い犬の登録数は近年増加傾向で、00年度の11万8738頭から、04年度は約13万2000頭に上る見通し。同室は「テレビのコマーシャルで、小型犬の人気などが高まったためでは」と話しており、県統計管理室は次回の国勢調査に向けて「被害の実態をまとめて国に対策を求めたい」としている。【吉川雄策】
10月13日朝刊
(毎日新聞) - 10月13日17時20分更新
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