2005年10月12日(水) 16時30分
横須賀のリフォーム詐欺:「悪質な犯行」に有罪 自分の財布代わりに /神奈川(毎日新聞)
◇認知症の高齢者姉妹
横須賀市の95歳と87歳の姉妹を狙った悪質リフォーム事件で、詐欺罪に問われた横浜市瀬谷区橋戸、無職、和田章被告(34)に対し、横浜地裁横須賀支部の福島節男裁判官は11日、「認知症の高齢者に乗じて『自分の財布代わり』に金をだまし取った悪質な犯行」と懲役2年、執行猶予4年(求刑・懲役2年)を言い渡した。
判決によると、同被告は今年4月30日、同市吉倉町のアパート経営の姉妹宅で「昨年の下水道修理代金が未払い」と虚偽の請求をし、3万円をだまし取った。同様に6月1日、4万円を詐取。さらに7月14日、2万9400円をだまし取ろうとし、警官に逮捕された。
福島裁判官は「つましく暮らす高齢者をだますようなことは二度とやるな。被害額を弁済せよ」と諭し、猶予刑にした。
今回の被害者は認知症の高齢者で、資産があるケース。昔からの住民が多く住む町内だが、姉妹に「被害感覚」が乏しく、悪質な複数の業者に狙われた。横須賀署の調べでは、2年間で1000万円を超えている。
9月に家庭裁判所で成年後見人の補助人に決まった輿石英雄弁護士は「私が預金を管理する。銀行と相談し、姉妹が多額の引き出しをした場合、通報してもらい被害を未然に防ぐことにした。高齢化社会で、身近に相談できる親類、友人のいない“孤立した高齢者”が狙われる」と警告している。
起訴分の被害額は計7万円だが、同被告は「認知症と知り、金がなくなると訪問し、架空請求で15回ほど約30万円をだまし取り、スロットなど遊興費に使った」と法廷で明かした。【網谷利一郎】
10月12日朝刊
(毎日新聞) - 10月12日16時30分更新
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