2005年10月12日(水) 00時00分

殺人サイト事件 不倫相手の男逮捕 （東京新聞）

　インターネットの殺人請負サイトを使った殺害依頼事件に絡み、自分の妻の殺害を依頼した東京消防庁渋谷消防署の女性救急隊員（３２）＝暴力行為法違反容疑で逮捕、処分保留＝に暴行して大けがを負わせたとして、警視庁捜査一課と多摩中央署は十二日、傷害容疑で女性隊員の不倫相手だった同消防署救急隊の消防副士長町田貞稔容疑者（３２）＝東京都国分寺市西元町三＝を逮捕した、と発表した。殺人請負サイトを発端とした事件は、女性隊員を追い込んだ不倫相手が逮捕される異例の展開となった。

　調べでは、町田容疑者は九月二日、静岡県内の温泉旅館に女性隊員と宿泊した際、自分の妻（３２）の殺害依頼話を問い詰めて脇腹をけるなどの暴行を加え、胸や腰の骨を折るなど約一カ月の重傷を負わせた疑い。容疑を認めているという。

　町田容疑者は七月中旬、女性隊員が救急活動中にバッグに入っていたメモを見つけ、殺人請負サイト管理者の探偵業奥平明男容疑者（４９）＝詐欺容疑で逮捕＝らに妻の殺害を依頼していたことを知って旅先で暴行に及んだという。町田容疑者は二〇〇二年四月ごろ、女性隊員と知り合い交際を始めた。昨年一月ごろから「ほかの男と親しくした」などと言い掛かりをつけて「デート一時間につき二千円を払え」と謝罪料名目で現金を繰り返し要求するようになり、計約五百万円を受け取っていた疑いがある。

　女性隊員は昨年十月ごろ、町田容疑者の妻の妊娠を知って「自分はおもちゃなのか」と怒りを覚え、同十一月に殺人請負サイトにアクセスして相談。奥平容疑者と、紹介を受けた自称探偵業田部孝治容疑者（４０）＝詐欺容疑で再逮捕＝の二人に計約千五百万円を払ったのに殺害が実行されず、今年七月に「だまされているかもしれない」と同署に相談していた。

　町田容疑者と女性隊員は〇一年四月に東京消防庁に採用され、同年九月、ともに渋谷消防署救急隊に配属された。町田容疑者は主に救急車の運転手をしていた。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051012/eve_____sya_____001.shtml