2005年10月10日(月) 11時45分
偽物出現、回答拒否… 国勢調査員、もうこりごり(琉球新報)
5年ぶりの国勢調査の調査票は10日までには回収される。個人情報保護法の施行やプライバシー保護意識の高まりを受け、今回初めて調査票回収用の封筒を用意、封をして提出できるようにしたが、協力を拒む住民もいて、県内の市町村は頭を悩ませている。全国で発覚している「偽調査員」の出現を警戒し、直接持ってくる住民も。回収作業に苦労し「2度とやらない」と話す調査員もいる。
約12万世帯の那覇市は1800人の調査員が必要だが、約200人がキャンセルしたため、市職員も応援。担当者は「経験のある調査員が5年前とはまったく違うと話している。プライバシー保護意識が高まり、協力しなくてもいいと思い込んでいる市民もいるが、国勢調査は個人情報保護法の適用外」と説明する。
5年前とは違い、調査員は調査票を密封したまま受け取り、自治体に提出する。しかし那覇市では調査員が中を確認しようと封筒を開封し、提出した男性からクレームを受けるケースもあった。
市国勢調査実施本部に調査票を直接持参した30代の女性は「家にいないことと、調査員でない人が取りに来たというニュースを聞いたので持ってきた」。調査員の男性(71)は「調査から外してほしいと言われたり、電話番号を記入しない人もいる。初めてやったが、2度としない」とこりごりといった様子。
宜野湾市は534人募集し、集まったのは約400人。不足分は臨時職員らで対応。担当者は「調査員からは、個人情報の関係などで調査はやりにくくなっているという声が聞かれる」とこちらも回収に苦労。
浦添市の担当者は「オートロックのマンションが増え、調査員が本人に会えなかったり、個人情報を主張し調査を断られるなど5年前に比べ調査がしにくくなった」と話している。
(琉球新報) - 10月10日11時45分更新
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