2005年10月09日(日) 05時24分
悪質リフォームの摘発倍増、「地震来る」不安あおり(読売新聞)
悪質な住宅リフォーム業者の摘発件数が、今年1月から9月までに49件となり、すでに昨年1年間の22件から倍増していることが8日、わかった。
相次ぐ大地震につけ込み「地震が来るともたない」と不安をあおったり、認知症=痴呆(ちほう)=の高齢者に契約を迫ったりするなど手口は悪質で、業者に実態のないケースも浮き彫りになった。警察当局は、今後も摘発を積極的に進めていく方針だ。
警察庁によると、全国の警察は1月から8月までに、詐欺や特定商取引法違反の容疑で28件を摘発。摘発者数も計63人で、37人だった昨年比で倍増の勢いだ。さらに、読売新聞の総支局などを通じて9月を調べたところ、21件に達した。
◆大地震◆
震度6弱の地震が8月にあった宮城県では、「耐震補強のために金具を取り付けたほうがいい」と不要な工事をしたとして業者が9月、詐欺容疑などで逮捕された。布団の訪問販売をしながら、契約が取りやすそうな高齢者に狙いを付けていた。容疑者の自宅から過去の大地震に関するメモが押収されており、宮城県警は「地震の不安に乗じて契約を取っていた」とみて余罪を追及している。
◆実態なし◆
千葉県警が9月、ずさんな床下補強工事をしたとして特定商取引法違反容疑で逮捕した男3人は、「工務店」を名乗っていたが、県警は「会社の実態はない」とみている。工事もセメントに水をかけただけだった。3人は、シロアリの消毒済みのシールを目印に、床下工事の無料点検を装って訪問、違法な契約を交わしていた。
◆認知症◆
神奈川県横須賀市では7月、認知症の95歳と87歳の姉妹から、架空工事の費用をだまし取ろうとした男が詐欺未遂容疑で逮捕された。姉妹の家には2003年夏ごろから、リフォーム業者と称する男たちが頻繁に出入りするようになり、床下や排水の工事費などを請求していた。
姉妹が預金を頻繁におろすため、不審に思った銀行が警察に連絡したこともあった。姉は「床下工事 320万円支払った」などとノート40ページにわたるメモを残していた。
被害総額は計約2000万円に上るとみられる。横須賀市は、姉の成年後見制度の適用を申請した。
(読売新聞) - 10月9日5時24分更新
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