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2005年10月05日(水) 00時00分

【関連】がん患者怒る 警視庁が押収した史輝出版の書籍と、ミサワ化学の「即効性アガリクスS」 東京新聞

 「がんと告げられ、ショックだった」。昨年八月、青森県三沢市の無職男性(66)は定期健診で前立腺がんと判明した。すぐに八戸市内の病院に通って抗がん剤などによる治療を受けた。そんな折、史輝出版の「ガンに一番効くアガリクスは何か」と銘打った書籍を新聞広告で知った。書店で早速取り寄せた。

 本には「がんもここまで回復した」と書かれていた。同じ前立腺がんを患った高齢者が、即効性アガリクスという商品をのんで回復した経緯がつづられていた。監修した大学名誉教授も「優れた抗がん食品」と太鼓判を押していた。

 「効き目はないと思います。でものみたいならどうぞ」。相談した担当医の反応は冷ややかだった。だが「がんが治るなら、少々値が張ってもいい」。書籍のしおりに記されていた連絡先に電話し、ミサワ化学が販売する二百四十粒入りの一瓶を送料込みで三万六千七百五十円で購入した。

 早く良くなりたい一心で毎朝、通常より多めに摂取した。ところが、今年四月の報道に仰天した。史輝出版とミサワ化学が薬事法違反容疑で警視庁の家宅捜索を受けたのだ。がん患者の回復ぶりを紹介する体験談はねつ造だった。それまで十二瓶を買って約四十四万円を投じていた。「効くかどうか分からない商品を売るとは詐欺行為だ。わらにもすがりたい思いにつけこむなんて許せない」と、男性は憤った。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051005/eve_____sya_____003.shtml