2005年10月05日(水) 15時02分
「がんに効く」と宣伝 アガリクス本、出版社役員ら6人逮捕(産経新聞)
薬事法違反
キノコの「アガリクス」などを加工した健康食品を「がんに効く」と書籍で医薬品として不正に宣伝したとして、警視庁生活環境課は五日、薬事法違反(未承認医薬品の広告)容疑で「史輝出版」(東京都港区)の役員、木村真木(49)と、元役員で健康食品販売会社「ミサワ化学」(新宿区)社長、三沢豊(58)ら六容疑者を逮捕した。
警視庁によると、出版物を薬事法上の広告とみなし、立件したのは全国初。史輝出版の社長(52)は病気療養中のため任意で調べを進める。
調べによると、六人は薬事法が未承認医薬品の広告を禁じているのに、昨年一月から十二月、「即効性アガリクスで末期がん消滅!」などとする書籍二冊を出版。アガリクスを成分とする健康食品の効能を「がんが消えた」と紹介して広告した疑い。出版費はミサワ化学が全額出す「タイアップ出版」だった。
巻末に問い合わせ先として、実際にはミサワ化学につながる電話番号を「アガリクス研究センター」と偽って掲載、医薬品の許可を取らずに販売した疑いも持たれている。警視庁は今年四月、関係先を家宅捜索するなどして裏付けを進めていた。
アガリクスは健康食品だが、薬事法では効能をうたえば医薬品とみなされる。史輝出版の書籍には架空のがん患者の体験談を収録していた。厚生労働省は昨年五月、史輝出版の書籍が健康増進法で禁じた誇大広告にあたるとして改善指導をしていた。
史輝出版は昭和六十三年設立。約十年前からアガリクスなどの健康食品を取り上げた書籍を約七十冊出版。平成十五年四月期の売上高は約二十億円。
十五年九月には、約九千万円を脱税した法人税法違反の罪で東京地検特捜部に法人として起訴されている。
(産経新聞) - 10月5日15時2分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051005-00000035-san-soci