2005年09月26日(月) 10時36分
松下電器の企業年金「引き下げ」訴訟、原告が敗訴(読売新聞)
松下電器産業(大阪府門真市)が退職者を対象に独自に設けている企業年金「福祉年金」を巡り、会社側が一方的に給付利率を一律2%引き下げたのは不当として、同社とグループ企業の退職者計105人が、同社を相手に、減額された総額約4000万円の支払いを求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁であり、佐賀義史裁判長は請求を棄却した。
原告側は控訴する方針。
原告は、76〜60歳の同社などのOB。
判決によると、「福祉年金」制度は、退職者の生活の安定を目的に、創業者の故・松下幸之助氏の発案で1966年に創設され、原告らは年10〜7・5%の固定利率で年金額202万〜40万円を受け取っていた。
ところが、会社側は02年3月期、上場以来初の赤字を計上したことなどから、「将来、経済情勢もしくは社会保障制度に大幅な変動があった場合、全般的な改定を行う」と定めた年金規程条項を根拠に、現役社員に対しては同年4月、制度を廃止して、市場金利連動型制度を導入。加入者に対しては同年9月から、利率を一律2%引き下げる改定をし、原告らの受給額は23万〜6万円減額された。
原告側は03年5月以降、順次提訴。「経営難は一時的なもので、利率を引き下げるまでの必要はなかった」などと主張していた。
福祉年金については、同社の退職者3人が同様の裁判を大津地裁に起こしており、昨年12月の判決では、「改定前の給付利率を継続支給した場合、年金制度自体が破たんする恐れを生じていた」などとして請求を退け、うち2人が大阪高裁に控訴している。
企業年金の減額を巡っては、りそな銀行の元行員や、早稲田大学の元教職員が提訴した訴訟が係争中。
(読売新聞) - 9月26日10時36分更新
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